テレビで、トラフグが山で養殖されているという話を見ました。
あっ、なんか前にも聞いたことあるなぁ。ちょっと気になる。
温泉を利用しているらしい。
どうも、そのフグには毒がないらしい!
そして、かなり美味いらしい!
「ふぐ」高いからあまり食べられないのだけれど、好きなんですよねー。
ちょっと調べてまとめてみたい。
フグが養殖できる温泉とは?
フグの養殖。
フグは海の魚だから、海水がいるはずですよね。
それを山で、しかも温泉で養殖しているって、どういうこと?
温泉って淡水か?と思ったら、いや、そうとは限らないのです。
ナトリウム泉というのがありました。かなり普通にあるようです。
つまり塩が入っているのです。海の水ほどではないですが。
温泉によっては、そのまま海の魚が飼えるのだそうです。
さらに、温泉といっても、熱いお湯でフグを飼うわけではない。
そんなことしたら、育つ前にてっちりができちゃいます(笑)
もともと、温泉の法律的定義では温度は25℃以上なんですよね。
だから、ここで言っているフグ養殖用の温泉とは、塩分を含んだ湧き水(冷たくはない)と言う感じですね。
つまり、海水より塩分濃度の低い、ぬるい水、ということになりそうです。
トラフグ養殖に対する温泉の効能
トラフグの養殖に温泉の水をつかうことで、いいことがいくつもあるようですよ。
温度の効能
まずは、温度です。
熱くはないといってもかなり温かい温泉の水を使うので、通常の海上の養殖なら冬は水が冷たくなるのが、温泉水ではならない。
それで何が良いかと言うと、フグの体の活性が保たれる。
それによって、成長が早まるのだそうです。
出荷できるサイズに成長するのに、通常は1.5年かかるところを、1年で同じところまで成長しちゃうそうです。
塩分濃度の効能
次は塩分濃度です。
温泉水も塩水なんですが、塩分濃度は海の水より低いのだそうです。
生理食塩水に近いそうです。
生理食塩水の塩分濃度はは0.9wt%で海の水は3.4wt%(場所によって少し異なる)くらいです。
魚は浸透圧調整をしていますが、温泉水の環境では塩分濃度が低いので、海水環境よりも魚にとってエネルギー消費が低くてすむのだそうです。
よって、その負担が少ない分、成長が早くなるらしい。
温泉トラフグは毒がない?!
これも温泉の効能と言えるかもしれませんが、衝撃的なので、あらたな見出しとしますぞ!
なんと、温泉トラフグは「無毒」だというのです!
えっ!なんで?
フグ毒って、遺伝じゃないのか!?
そうではなかった!
もともとフグは自分で毒をつくるのではなく、後天的に環境から取り込んでいるのです。
フグ毒の「テトロドトキシン」は海中の細菌によってつくられ、それが食物連鎖を通じてフグに取り込まれ蓄積されている。
よって、そういう細菌や、食物連鎖の途中を占める生物がいない温泉環境では毒は取り込みようがないというわけです。
ただ、自然環境のフグは、毒をもつことによって、寄生虫などの病害虫の脅威から身を守っている。
よって、毒がないと、病害虫にやられやすいのでは?と心配。
しかし、これも、温泉水であれば、もともと海にいる病害虫自体がいない。
よって、無毒のフグでもすくすく育つというわけです。
すべてが、良い方へ、良い方へ働いているようです。
温泉トラフグは天然物より美味い!なぜ?
温泉トラフグは天然のトラフグよりも甘みがあって美味しいのだそうです!
なぜ?温泉つかってることに関係あるのか?
あるようです。
温泉トラフグの出荷直前に「味上げ」という作業をするのだとか。
温泉トラフグは低塩濃度の水で飼育されていますが、それを出荷直前に海水と同じ塩濃度の水に12時間入れるのだそうです。
そうすると、低塩濃度になれた温泉トラフグは、浸透圧調整できずに肝臓に蓄えたアミノ酸を血液を介して筋肉組織に流し込むのだとか。
それによって、身にうまみが加わる。
従来のフグより美味いなんて、これは極めつけですね。
もう、トラフグの業界は温泉トラフグの天下となるのではないかと思えるほどです。
まとめ
温泉水をつかったトラフグの養殖をみてきました。
いいことづくめのようですが、肝心の温泉がなければなりません。
養殖に適した成分をもつ温泉水があることが大前提です。
全国的にはそんなところが結構あるようです。
この養殖技術は株式会社夢創造が全国展開のフランチャイズとして広げつつあるようです。
わたしも温泉トラフグ食べたいなぁ!
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