AIを語るときに、現代の新常識とも言える「ディープラーニング」を、あんまりディープでなく、でもちょっとだけディープに知りたいというご要望に応えましょう。
ほんの少しだけニューラルネットワークに触れよう
普通、ディープラーニングの説明には必ずニューラルネットワークというのがでてきます。
私の別の記事で、ニューラルネットワークに触れずに、ディープラーニングを解説しているものがありますので、いちばんやさしい説明が欲しい方は、そちらを見てくださいね。
この記事では、ほんの少しだけ、ニューラルネットワークに触れるのだけれども、ごく少しで、ややこしくならない説明に挑戦します。
ニューラルネットワークとは脳の構造に模した電子回路だ
まず、ニューラルネットワークとはなにか?
ニューラルネットワークは、直訳すれば「神経の網目構造」となりますが、人間の脳が神経細胞が網目をつくった構造をしているので、それをモデル化したものがニューラルネットワークなんです。
人間の脳の場合は、正に「神経細胞」が網目状に絡み合った構造があるわけですが、人工知能では、それを真似た、「電子回路」のネットワークがあるわけです。
よく、納豆の豆が糸で絡まったような絵を見ると思いますが、あれが、人工知能のニューラルネットワークを形づっくっている電子回路のネットワークの模式図なんです。
ニューラルネットワークと言っても、なにか得体の知れないものではなくて、要するに電子回路です。
多層のニューラルネットワークをディープ・ニューラルネットワークという
この電子回路で情報処理することで、人工知能はいろいろな判断をするわけです。そして、その電子回路でつくった構造(ニューラルネットワーク)は層状の構造になっているんです。
その層がたくさんあるほど、より難しい高度な情報処理ができて、賢い人工知能になります。そして、たくさん層があるニューラルネットワークを、なんと、ディープ・ニューラルネットワークって言うんです。
え~? 多層がなぜdeepなの? many layeredとかじゃないの?って、思いますよね?
そうなんですが、言うものは仕方がない。まあ、たくさん層があると、「層が深い」と言う言い方もありえますよね?
それに、deepと言った方が、かっこいいじゃないですか。響きが良い!そういうもんです、技術や科学の世界でも。みんな、かっこいい言葉を使いたがる。これ、冗談抜きで本当ですから。
以前からあった「ディープラーニング」が、なぜ今なの?
ディープラーニングの考え方は、最近出てきたものではなく、実は以前からありました。では、なぜ今、これだけ注目されるようになってきたのか?
以前は、実用にならなかったのです。
層がたくさんあると、全体のサイズが大きくなりますし、膨大な処理時間もかかることになるじゃないですか。それが非現実的だった。
つまり、従来は、たくさんの層を持つニューラルネットワークが実用にならなかったので注目もされなかったわけです。
ところが、どんどん電子回路のサイズダウンと、処理速度の高速化が進んできて、多層のニューラルネットワークが、ついに実用になるようになってきたわけです。
多層のニューラルネットワークをつかった人工知能の学習が可能になってきたことで、質的に進んだ性能をAIが実際に発揮できるようになってきたわけです。
まとめ
「ディープラーニング」の「ディープ」の語源は、「多層の(ディープな)ニューラルネットワーク」のディープ(多層の)にあった。
「ディープラーニング」では、実際に学習も深く(ディープに)なるので、ネットワークの「深さ」と学習の「深さ」の両方の意味合いをかけたネーミングになっている。
「ディープラーニング」の考え方は以前からあったが、最近、実用になるようになってきて、急激に注目されるようになってきた。
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