がっちりマンデー8/25ゼネコン「清水建設」

今回のがっちりマンデーは、ニッチとかそういうのではなく、メジャー中のメジャー、ゼネコン大手の、なんと「清水建設」です。

今さら何を紹介するのかな?っと思ったのですが、切り口は「驚きの建物づくり」ということです。

ただ、全体を通して見ていくと、清水建設が請け負っている大型工事の現場の裏紹介と言うような内容でした。

ああ、ゼネコンの仕事は大変だなぁと思わせられる一本です。

新東名高速道路の工事は土との勝負

最初に登場したのは新東名高速道路の工事現場です。

山を削って谷を埋めて平らな道路の土台をつくる。

紹介された現場ではトラック70万台分の土を運ぶのだそうです。想像を絶します!

重要なポイントは、「土を余らせない、かつ、不足させない」と言うことなんだそうです。

余ったら、その処分は大変なことになるし、足らなくなったらどこかで調達しなければいけないわけで。

山を削った分で谷を埋めてちょうどにする。

そこが腕の見せ所とか。

トンネル工事は発破で1メートルずつ、クラッシック音楽を聴きながら

次に出てきたのは山にトンネルを掘る現場です。

発破をかけて1メートつずつ掘り進むのだそうです。

えっ!トンネルは巨大ドリルのような掘削機で削って掘るのではないの?

と思いましたが、多分あれは地下鉄のトンネル用か?

発破の方が簡単だけど、地下鉄は町の下を掘るから安全に静かにやらなけりゃならない。

それで、巨大なモグラのような機械で静かに掘っていくのじゃないでしょうかね?

高速道路の通る山のような、人の住んでいないところなら、発破でドカンとやるのでしょう。

発破のスイッチを入れる前は、ドボルザークの「新世界より」が流れて退避の合図にしてました。

サイレン鳴らしてドカン!じゃないところが、余裕の自信を感じさせますね。

高層ビルの土台作り。杭はまっすぐ!

次に訪れたのが、150メートルの高層ビルを建設しようとしている現場でした。

基礎となる杭打ちを紹介。

杭の要点は、まっすぐ打つこと。

杭が傾くとビルも傾く。

150メートルの高層ビルが傾いた、なんて、シャレになりません。

そういえば、手抜き工事のマンションで、傾いているのがありましたね。。。

ひどい話だけど、高層ビルではそういう話はききませんね。

高層ビルの高さを支えているのは、地下に深く打ち込んだ土台なんですね。

生コンは90分で固まってしまう!

そして、裏話的な紹介は、コンクリートをつくる原料の生コンでした。

ビルはコンクリートでできていますから、その原料として、それこそ大量の生コンが必要です。

生コンって、90分しかもたないんだって!

つまり、工場で生コンをつくったら、90分すると固まってしまう!

知りませんでした。生コンを運ぶ、あの荷台がグルグル回る生コン車が、回している間は固まらないのかと思ってましたよ。

製造から90分の内に使ってしまわなけりゃならないとなると、大量に使うから、スケジュール管理が大変です。

1時間以内に到着できる工場から生コンを順次運んでビルを作っていく。

渋滞で遅れたりしたら、それこそ使い物にならなくなっちゃう。

胃が痛くなりそうな現場です。

高層ビルのエレベーターのレール

ビルが変わって、19階建ての高層ビルでエレベータのレールの施設工事です。

レールを真っすぐ取り付けなくちゃならない。

真っすぐといっても、普通の真っすぐじゃないのです。

19階と言えば、高さ5~60メートルありますから、この距離を真っすぐです。

どうやって、真っすぐなことをチェックするのか?

ピアノ線を使うのだそうです。

へぇー、ピアノ線って、そうなんだ、と感心しましたね。真直度ではピカイチ、ってことですね。

伝統建築の復元工事も

清水建設は、大手ゼネコンの中で、唯一、「社寺建設部門」というのをもっているのだそうです。

もともと清水建設の創業は宮大工だそうです。

その伝統をつないでいるというわけで、伝統建築の大規模復元工事をやっている。

現代のビル建築は鉄とコンクリートでつくるわけですが、社寺建築は木造ですよね。

特に、伝統建築の復元となると、新しい材料や工法をとるわけにはいかない。

昔と同じ材料を使い、同じ道具をつかって建てなければならない。

その中でも、材料の木材の調達はキーとなるのだそうです。

さらに人。

日本中から宮大工を集めてくる。

木を削るのも、槍がんなや手斧を使った職人の手技でやっていくのです。

最先端の現代建築と伝統建築、両者が同じ会社に共存する、清水建設の懐の深さを垣間見たような気がしました。