成功している業界では、2強が切磋琢磨しているという構図がよくありますね。
今回のがっちりマンデーはそういう2強がどのようにしのぎを削り業界が盛り上がっているかを、具体的に紹介してくれました。
二つの業界が登場しましたが、一つは、消臭芳香剤業界。つまり、トイレの消臭剤。
「消臭元」の小林製薬と「消臭力」のエステーの戦いです。
最初の発売は小林製薬の「消臭元」
「消臭元」の発売は1995年だそうです。
キャップを外して上に引き上げると、キャップの下にぶっといろ紙がぶら下がっている。
このろ紙が消臭液を吸い上げて空気と接触して消臭する。
この「消臭元」が、半年で5億円以上を売り上げる大ヒットになったそうです。
これを見たエステーは、5年後の2000年に「消臭力」を発売しました。
「消臭力」の方は、細い吸引棒で消臭液を吸い上げる方式。
増量競争
しかし、売り上げ競争は、先行者の強みというのでしょうか、「消臭元」が「消臭力」を大きく上回り、2倍近い差があったのだそうです。
そこで、「消臭力」のエステーがとった策は、「増量」
それまで両者とも350ミリリットルだったのを、「消臭力」は400ミリリットルに増やした。
これによって売り上げは1.6倍増になったということです。
やっぱり効くんですね、増量は!
しかし、これで小林製薬は黙ってるはずがありません。
「消臭元」も同じく400ミリリットルに増量。
イメージ競争
「消臭元」は効き目重視のイメージ戦略を展開。
「ブサイクだけど効くわよ」
「消臭元」の特徴はぶっといろ紙です。これが「ブサイク」というわけです。
こんなのがアッピールするのか?と思ったら、これで売上73億円!ギネス認定なのだとか!
そして、これに対抗してエステーがとったのが、あの記憶に残るコマーシャルです。
ミゲル君の「しょ~しゅ~りきぃ~」
エステーはポルトガル人の少年ミゲル君を起用して、ボーイソプラノで、「しょ~しゅ~りきぃ~」と高らかに歌い上げるコマーシャルを打ちました。
今でもはっきりと覚えていますよね!
これで「消臭力」の知名度は一気に上昇したようです。
このCMはCM好感度調査の「Brand of The Year」で8年間連続して選出されるほどの注目を浴びました。
確かに、このコマーシャルの力は絶大だったと思いますね。
わたしも、このためでしょうか、「消臭力」は知ってましたが、「消臭元」は、「ああ、そういうのもあったかな」程度。
恐るべし、コマーシャル!、と思います。
2強が切磋琢磨して業界をリード
その後も、この2社は、次々と新商品を発売して業界をリードしつづけているようです。
最近では、2社とも、プレミアム路線に走っているのだとか。
高級感を出したパッケージの消臭剤ってことのようです。
面白いことに、路線は共有して、その中で戦っているのですね。
増量には増量で、イメージにはイメージで、そして、プレミアムになれば、両者がプレミアムの範疇で戦う。
この辺に、戦いつつも、消費者にアピールして業界全体で成長する、秘密があるような気がします。
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