がっちりマンデー8/18業界の2強(1)消臭芳香剤業界「消臭元の小林製薬」と「消臭力のエステー」

成功している業界では、2強が切磋琢磨しているという構図がよくありますね。

今回のがっちりマンデーはそういう2強がどのようにしのぎを削り業界が盛り上がっているかを、具体的に紹介してくれました。

二つの業界が登場しましたが、一つは、消臭芳香剤業界。つまり、トイレの消臭剤。

「消臭元」の小林製薬と「消臭力」のエステーの戦いです。

最初の発売は小林製薬の「消臭元」

「消臭元」の発売は1995年だそうです。

キャップを外して上に引き上げると、キャップの下にぶっといろ紙がぶら下がっている。

このろ紙が消臭液を吸い上げて空気と接触して消臭する。

この「消臭元」が、半年で5億円以上を売り上げる大ヒットになったそうです。

これを見たエステーは、5年後の2000年に「消臭力」を発売しました。

「消臭力」の方は、細い吸引棒で消臭液を吸い上げる方式。

増量競争

しかし、売り上げ競争は、先行者の強みというのでしょうか、「消臭元」が「消臭力」を大きく上回り、2倍近い差があったのだそうです。

そこで、「消臭力」のエステーがとった策は、「増量」

それまで両者とも350ミリリットルだったのを、「消臭力」は400ミリリットルに増やした。

これによって売り上げは1.6倍増になったということです。

やっぱり効くんですね、増量は!

しかし、これで小林製薬は黙ってるはずがありません。

「消臭元」も同じく400ミリリットルに増量。

イメージ競争

「消臭元」は効き目重視のイメージ戦略を展開。

「ブサイクだけど効くわよ」

「消臭元」の特徴はぶっといろ紙です。これが「ブサイク」というわけです。

こんなのがアッピールするのか?と思ったら、これで売上73億円!ギネス認定なのだとか!

そして、これに対抗してエステーがとったのが、あの記憶に残るコマーシャルです。

ミゲル君の「しょ~しゅ~りきぃ~」

エステーはポルトガル人の少年ミゲル君を起用して、ボーイソプラノで、「しょ~しゅ~りきぃ~」と高らかに歌い上げるコマーシャルを打ちました。

今でもはっきりと覚えていますよね!

これで「消臭力」の知名度は一気に上昇したようです。

このCMはCM好感度調査の「Brand of The Year」で8年間連続して選出されるほどの注目を浴びました。

確かに、このコマーシャルの力は絶大だったと思いますね。

わたしも、このためでしょうか、「消臭力」は知ってましたが、「消臭元」は、「ああ、そういうのもあったかな」程度。

恐るべし、コマーシャル!、と思います。

2強が切磋琢磨して業界をリード

その後も、この2社は、次々と新商品を発売して業界をリードしつづけているようです。

最近では、2社とも、プレミアム路線に走っているのだとか。

高級感を出したパッケージの消臭剤ってことのようです。

面白いことに、路線は共有して、その中で戦っているのですね。

増量には増量で、イメージにはイメージで、そして、プレミアムになれば、両者がプレミアムの範疇で戦う。

この辺に、戦いつつも、消費者にアピールして業界全体で成長する、秘密があるような気がします。