小惑星「リュウグウ」の探査を続ける「はやぶさ2」が、リュウグウ表面にクレーターを形成するオペレーションに成功した模様です。
クレーター作成には、予想以上に複雑な動作が必要だったようですね。
こんなアクロバティックなことが、3億キロメートルの彼方でできてしまうんだ!
ここまでの経緯
2014年12月に打ち上げられた「はやぶさ2」は、約3億キロメートル離れた小惑星リュウグウに2018年6月に到着。
リュウグウの表面の様子を調査した後、今年2019年の2月22日に1回目のタッチダウンとサンプル採取を実施して成功。
そして、次なる目標は、リュウグウ「内部」のサンプル採取です。そのために、リュウグウ表面にクレーターを形成し、内部の岩石を露出させるミッションを行いました。
クレーター形成の目的の詳細については、こちらの記事(クレーター形成の目的)をご覧ください。
「はやぶさ2」はインパクタを分離してクレーターを形成
クレーター形成のために、金属の塊が、リュウグウ表面に向けて撃ち込まれたわけですが、それは単純な動きではないんですね。
まず、大きなエネルギーで金属塊を撃ち出すために、「インパクタ」という撃ち出し装置を本体から分離しました。
これは、撃ち出しの反動で本体がダメージを受けないためですね。
インパクタは、分離された後、ゆっくり小惑星に向けて落ちていき、40分後に火薬が爆発して金属塊が打ち出される。その金属塊が小惑星表面にぶつかってクレーターが形成されます。
「はやぶさ2」の本体は退避しながらもカメラを分離
さらに、インパクタが金属塊を撃ち出す前に、本体は退避するんです。
金属塊が表面に撃ち込まれると、反動で岩石のカケラが四方八方に飛び散ります。なので、逃げないと危ないわけです。
「はやぶさ2」本体は、小惑星で陰になって岩石のカケラが飛んでこない場所に退避したわけです。
そして、それだけではなく、その退避活動の途中で、小型カメラのユニット「DCAM3」を切り離したということです。このカメラで、クレーター形成の瞬間を撮影しようというわけです。
撮影された映像は、「はやぶさ2」を経由して地球に送られたんです。その映像には、金属塊の撃ち込みによって、小惑星表面から岩石のカケラが飛び散る様子が見事に捉えられています。
クレーター形成が成功したことは間違いないと思われます。
「はやぶさ2」は複雑なシーケンスを自動で完遂した
小惑星表面に、大エネルギーで金属塊を撃ち込みながらも、本体は安全地点に退避し、その移動途中に撮影用のカメラを分離する。そのカメラが、撃ち込みの瞬間を撮影する。
これって、ものすごくデリケートで複雑なシーケンスですよね。少しずれても、うまく行かなさそうです。
それも、地球から3億キロメートルの彼方で、全て自動で行ったわけです。
もう、私なんか、JAXAの「はやぷさ2」プロジェクトチームに尊敬の眼差しを向けるしかありません。
これはもちろん、史上初のミッションであり、先日の着陸をさらに上回る、大変な技術的成果です。
アメリカをはじめ、世界中が驚嘆の目で見ているはずです。
まとめ
「はやぶさ2」は小惑星「リュウグウ」表面にクレーターの形成に成功した模様です。
クレーター形成に関わる一連の動作は、インパクタ分離、退避、カメラ分離と、大変デリケートで複雑なものですが、見事完遂。
史上初のミッションであり、大変な技術的成果に、世界中が驚嘆の目で見ているはず。
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