小惑星「リュウグウ」表面にクレーター形成を成功させた探査機「はやぶさ2」の次の目標は、そのクレーターへの着地です。
2019年5月30日に、2回目の着陸に向けて目標の地点へターゲットマーカを投下することに成功した模様です!
「はやぶさ2」が着地前に降下する目的は?
すでに最初の着陸のときに明らかになっていますが、「リュウグウ」の表面は岩だらけのゴロゴロした環境です。
着陸時に、機体が出っ張った岩にぶつかって壊れないように、安全な場所を選ばなければならない。
今度着陸しようとしているのは、人工的に形成したクレーターの中か、その周辺という条件がある上に、そういう安全性を満たした地形でなければならないのです。
よって念入りな調査が必要なのです。
そのため、高度10メートル程度の低空まで降下して、表面の状況を詳細に観測しようとしています。
また、着陸の時の目印になる「ターゲットマーカ」を投下するという目的もあります。
16日はなぜ降下中止になったのか?LIDARの高度値異常とは?
実は5月16日に、「はやぶさ2」は同様の降下を試みました。
ところが、目標の10mに達する前に、高度50mで自主的に降下を中止してしまいました。
何が起こったのか?
JAXAの発表によると、高度50m地点で、LIDARの高度値異常が発生したため、「はやぶさ2」が降下を自主的に中止したとのことです。
LIDARとは?
LIDAR(ライダー)とは、”Light Detection and Ranging”または”Laser Imaging Detection and Ranging”のことで、つまり光(レーザー)を用いた高度検出装置ですね。
高度50mを通過した時点で、このLIDARの受信感度が切り替わるように設定されていたそうです。
切り替えのタイミングでノイズが発生して、高度値の異常が発生した。
これは深刻な異常ではなく、今回の降下では、その対策を施したということです。
降下は中止になりましたが、上昇途中で、人工クレーター付近をバッチリ撮影に成功ました。
2回目降下でターゲットマーカ投下に成功!
1回目は降下を途中で中止しましたが、その際に撮影したリュウグウ表面の写真から、着陸候補地点付近をより詳しく知ることができたとのことです。
再検討の結果、新たな着陸候補エリア(C01と命名)を絞りこんだとのこと。
このC01は、人工クレーターが含まれる、まさにそのエリアなのだそうです!
実は、1回目の降下では、こことは異なるエリアへの着陸を想定してターゲットマーカーを投下しようとしていたとのこと。
それが、1回目の降下中止で取得された表面の画像より、C01エリアへの着陸の可能性があることが分かったので変更したのだとか。
そして今回の2回目の降下になりました。
今回は見事、高度10mのところまで降下に成功し、ターゲットマーカの投下にも成功しました!
いやいや、1回目降下に問題が起こったおかげで、より興味深い人工クレーター付近へ着陸できる可能性が高まりましたね!
怪我の功名というか、倒れてもタダでは起きない「はやぶさ2」というか、さすがですね~!
まとめ
「はやぶさ2」がリュウグウ表面から高度10mまでに降下し、着陸用の目印「ターゲットマーカ」の投下に成功!
ターゲットマーカの投下点は、人工クレーターの存在するエリアだ!
人工クレーター付近への着陸へ向けて、期待が膨らみます!
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