アニメの線画に色を塗る彩色過程を、AIにやらせるんだそうです。うん?アニメって人が描いてるんじゃないのか?
AIでアニメの自動彩色
「AIを使ったアニメの自動彩色技術を奈良先端大が開発した」とのニュースが走りました。これは、コンピュータグラフィックスとは話が違うようですね。
人が描いた線画の下絵に、色を塗っていく作業のようです。これを自動的にやろうというわけ。
従来は人間がやっているわけです。どうも、すごい低賃金の工程のようです。よって、人がなかなか集まらない。集まってもすぐやめちゃう。
アニメーターっていうそうですが、これがすごい低賃金労働者で、平均年収は100万円あまりとか。これだけでは生活できるレベルではないですよ。
アニメ制作はAIにちょうど良い程度の仕事か?
低賃金だってことは、あまり高度な技術がいらないということも意味していそうです。
といっても、ぬり絵をすることを想像してみると、プロのアニメのように塗るのは、結構、技術がいりそうに思いますがね。
まあ、だからこそ、AIの出番だってことなんでしょう。AIといっても、発展途上の技術だから、高度過ぎることは、そうそうできるもんじゃない。
アニメの画像ってものすごくたくさんの静止画の組み合わせで作っていくんでしょ?
すごい手間のかかる仕事で、大量に処理しなければならないわけで、まさに自動化の恩恵を受けるうってつけの対象ではありますね。
アニメ制作はAIを適用しやすい分野か?
意外にも、アニメの線画に色を塗っていく作業はマニュアル化されているのだそうです。そうだからこそ、自動化に持っていきやすい下地があるといえる。
ただ、自動車を組み立てたりするのと比べると、人間の感性で判断する部分というのがあるでしょう。
そこは、従来の工場ロボットなんかとは質的に違う、インテリジェントなところのはず。以前は、そういう「感性」が係わっている部分っていうのは、自動化が難しいと思われたいた。
そこで登場するのがAIってわけです。昨今のAIはディープラーニングのお陰で、最適なやり方を自ら導き出し、実行できるようになってきたわけです。
それが、「感性」と言われている部分も、実は、人間特有ではないのではないかということになってきているようです。
いや、これは、よく考えると、人間にとってはただならねぬことになってきているのですがね。
アニメの彩色技術をディープラーニングするとは
ディープラーニングさせるためには、大量のケースを学習のためのデータとして用意しなければならない。
そのデータの準備って、結構大変な仕事だと思うけどどうやってるんだろう?
線画と、それに人間が彩色したものを大量に準備するわけだよね。うまくできたケース、失敗作のケース。いろんなのを大量にだよ。
多分、今までアニメの工房では、まさかこんなことになるとは思っていないでしょ。ディープラーニングのためのデータとなる失敗作も含む絵をたくさん準備するなんて。
ひょっとして、そのためのいろんな仕上がりの絵を、一生懸命、アルバイターつかって塗らせているなんてことになってるのかな?
忙しいのに、こんなことする暇あったら、本筋の仕事したいよ!なんてね。
AI導入の裏に人手不足問題がある
それは、冗談として、それほど、この業界では人手不足が大きな問題であるようです。
なんたって、アニメは日本の誇る産業のひとつです。なんと、産業規模は2兆円を超えるところまで成長しているのだとか。
そして、それを底辺で支えてる一つが、彩色をしているアニメーターだとしたら、日本社会にとってもなんとかしなきゃ、という課題ですね。
ただ、AI導入で、低賃金とはいえアニメーターの仕事がなくなるということになりますよね。アニメ制作の経営側としては、コストダウンで嬉しいでしょうが。
ビジネスの論理からいえば、AIに置き換えられるところはどんどん置き換えていくのが、止めようのない成り行きなんでしょう。
いま、世はまさにAI革命が始まろうとしていますが、アニメの世界も、AIが活躍する具体的な場になっているようです。
まとめ
AIを使って、アニメの下絵に自動で色を塗る技術が開発された。
アニメの彩色は、ある程度の技術のいる作業であるが、マニュアル化されている。そして、大量にこなさなければならない。まさにAI化に適した分野である。
さらにその裏には、大きな産業規模という社会ニーズがあるのに、低賃金で人手が集まらないという、雇用事情もある。
経営側にとっては、AI化が必然の方向であるが、アニメーターにとってはますます厳しい職場となっていきそうである。
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