最近、誤嚥(ごえん)の怖さが注目されています。
わたしもときどき、誤嚥しそうになることがあるので、他人事じゃない。
高齢の身内をもっていると、日常的な問題として、本当に深刻なんですよね。
誤嚥対応のとろみ飲料を提供する自販機が出てきた!ということで、一筋の光明が!
誤嚥(ごえん)の怖さ
誤嚥というのは、飲み物や食べ物を飲み込むときに、誤って気道の方に入ってしまうことです。
気道に入ってしまうと、その奥は肺ですから、深刻な場合は、肺炎を引き起こす。「誤嚥性肺炎」と呼ばれています。
若い人の場合は、誤嚥が起こることは稀ですが、歳をとってくると起こりやすくなってくるんです。
一旦肺まで入ってしまった異物は、なかなか排出されないようです。
肺炎は、命に係わる深刻な結果につながりやすいのです。
高齢者の死亡原因の第3位が肺炎です。
意外にも、液体を飲み込むときが起こりやすい
誤嚥になる可能性が高いのが、固形物より液体なんだそうです。
ちょっと意外に感じましたが、誤嚥のメカニズムを聞くと、よくわかります。
ものを飲み込むときには、気道に入らないように、フタがされるような体の仕組みになっているそうです。
そのフタをする動きが間に合わずに気道へ入るのが、誤嚥のメカニズム。
液体の場合は、固形物より、早く流れ込むので、フタが間に合わない可能性が高くなるというわけです。
誤嚥を防ぐとろみの効果
液体の方が誤嚥しやすく、それは、早く流れるから、ということならと、液体にとろみをつけることが行われています。
とろみがつくと、液体はゆっくり流れるし、広がりにくくなりますよね。
そういえば、わたしの高齢の母が、医者から薬をもらって飲むときに、飲みやすいようにと、ジュレのようなものと一緒に飲んでいましたっけ。
でもあれは、薬がのどに引っかからないようにするためだと思ってましたが、誤嚥対策もあったのだろうと思います。
とろみがある液体は、流れる速度が遅くなりますから、気道にフタをするタイミングに余裕が出るというわけですね。
介護施設でのとろみ付け
高齢者の誤嚥防止対策として、介護施設では、コーヒーやお茶などに、とろみ剤を入れてあげるのだそうです。
ただ、手間がかかるので、ひいては介護士の人件費として響いてきますし、どうも、とろみ剤を入れることで味が悪くなることがあるようです。
味が変わってしまったら、入れるのを嫌がる方もでてくる。
そんな問題点があったのだそうです。
とろみをつける自販機が登場。手軽でおいしいと評判!
アベックスとニュートリーという2社が共同して、「とろみボタン付きカップ式自動販売機」というのを開発したということです。
とろみのレベルを3段階に替えて、コーヒーやお茶が買えるのだそうです。
今後、病院や高齢者施設への導入を目指していくそうです。
問題は味ですが、好評のようです。
ポイントのひとつは、とろみ剤の選択だろうと思いますが、企業がビジネスを目指して真剣に取り組んだのですから、そこはかなりのレベルに達していると想像できます。
とろみは飲みやすく美味しいのかもしれない
私は以前より、とろみのあるものが好きだったんです。
とろみのあるものは、ゆっくり食道を通ることによって誤嚥しにくいので、体に優しいわけですよね。
そのことが、体が本能的にとろみのあるものを受け入れやすい。つまり、おいしいとさえ感じる原因になっているような気がします。
とろみのあるドリンクというのが、今後、新たな観点で見直されてくるような予感さえします。
まとめ
液体にとろみをつけると、誤嚥しにくくなる。
とろみを調整してつける自動販売機が開発されて、好評を得ている。
とろみは、飲料の新しい機能、味、としてあらためて注目されるのではないだろうか。
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