探査機「はやぶさ2」はなぜ小惑星に行くんだろう?

今、「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに行っていますね。初号機の「はやぶさ」も小惑星イトカワへ行きましたよね。

いまさらですが、両方とも「小惑星」なんだよね。月とかじゃなくて、なんで「小惑星」なんだろう?

そういえば、一時、月へ基地をつくるとか、月開発が話題になってなかったですか?小惑星って遠いんでしょ?月は、それに比べれば、すぐそこ!(ってほどじゃないか)

にしても、まずは、月じゃないの?言われてみれば、そもそもがわからないじゃない!これ、知らないと恥かきそーだね!

まった!その前に、惑星ってなんだっけ?

「小惑星」でしょ?「小さい惑星」じゃないですか?それだけか?

じゃぁ、「惑星」ってなんだったけ?言葉的には「惑う星」ですね。確か、我らの地球は惑星でしたよね?

もともとは、地上から見たときに、うろうろ惑わすような軌道で動く星についた名前ですがね。いまじゃ、太陽などの恒星の周りを公転する天体のことです。別に惑ってないのです

小惑星も太陽の周りをまわっているわけですね。

小惑星の「小」に意義がある!?

実は、「惑星」かどうかは、あまり重要じゃないみたいです。「小」の方が重要。

つまり、小さい天体であることがポイントのようですよ。月は近いけど大きすぎる。

小さいことはいいことだ!むかし、「大きいことはいいことだ~!!」ってコマーシャルがありました。山本直純さんでしたっけ?

古いですね。歳がばれちゃいます。ちなみに、チョコレートのCMでしたよね?

小惑星は、小さいことはいいことだ!ってことなんです。

小惑星リュウグウは1000メートルない大きさ

いま「はやぶさ2」が行っている小惑星リュウグウは直径900メートルくらいらしいです。端から端まで、徒歩10分です!

初号機が行ったイトカワは500メートルくらい。

地球は直径1万3千キロメートル、月は3千キロメートル強。全然桁が違います。

そう、小惑星はメチャクチャ小さいのです。

小惑星は小さいので不定形をしている

地球や月は球体ですよね?地球や月は、凄く大きくて重いので、自分自身の重力でつぶれて丸くなってしまっているんです。

ほら、宇宙ステーションで、水は宙に浮いて丸くなりますよね。水は液体だということはありますが、宙に浮いた状態では、丸い形が安定です。

岩石は硬いですが、それでも、大きな重力の下では、崩れて中心に向けて引き込まれ、丸くなっちゃう。

ところが、小惑星は、小さいがゆえに重力も小さく、不定形を保っている。リュウグウやイトカワって、球体じゃなく変な形してます。

小惑星は、太陽系の誕生の秘密を残している

地球や月などの大きな天体は、重力の影響もあって、過去に一回溶けてドロドロになったりして、昔の状態を留めていないのです。

そういえば、昔、地球は高温だったって習いましたね。大きな天体は、劇的な変化を遂げて、今の姿になっているのですね。

ところが小さい天体は、そういう変化を経ていないので、昔の痕跡を残している可能性が高いというわけです。

つまり、小さい天体を調べると、太陽系の誕生の秘密につながることが分かる可能性がある。

そういう、誕生期の状態を保っている天体を、「始原天体(しげんてんたい)」というのだそうです。小惑星はまさに、その「始原天体」なんですね。

小惑星探査の理由は、それだけではない

「始原天体」としての小惑星を探査する。なんとも、壮大で、ロマンのある話ですなぁ

しかし、実は、それだけではなく、小惑星探査には、すごい現実的な目的があるというのです。

なんだろう?

それは、また別の機会に書きましょう!

まとめ

月や他の惑星に行かずに、小惑星に行くのは理由がある。

小惑星は小さすぎて重力でつぶれるほど重力が強くないので、不定形をしている。そんな小惑星は、誕生してから大きな変化を経ていない。

小惑星は始原天体である可能性が高いので、それを調べることは、太陽系の誕生期の秘密を解明することにつながるのだ。